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英雄

-ドラマ

 

監督;Sun Ji

国;シンガポール

時間;23分48秒

言語;中国語

字幕;英語

製作;2014

学校;Temasek Polytechnic 

 

 

 

 

 

『英雄』は2004年に完成された、アクションとドラマを組み合わせたショートフィルムである。1980年代のシンガポールを舞台にした、裏社会で生きる父親が、絶望的な人生から逃げ出し、娘との単純で普通の生活を追う物語だ。今のように人々の暮らしが早すぎない80年代シンガポールのユニークな時間の流れの中で、英雄は父親の愛と兄弟愛を探求し続ける。父親は娘の目に、どれほど英雄として映ることができるのだろうか。

 

監督;Sun Ji

脚本;Sun Ji

プロデューサー;Nikko Koh

DP;Koh Yu Wei

編集;Gavril Hing

出演;Zheng Geping, Isabel Yamada, Ryan Lian, Veracia Yong, Vincent Tee, Zen Wong, David Bala 

 

映画祭受賞歴;

New York Festival's World's Best TV & Films - Silver in Best Student Film Category

映画祭出展歴;

Golden Panda North American International Short Film Festival

 

監督のコメント;

私は昔、暴力団にいたことがあった。自分は立派な暴力団の一員であり、その事を誇りにまで思ってもいた。当時、高校生でしかなかった自分は、それでも暴力団としての未来は明るいものだと確信していた。遂に、暴力団をやめて映画作りを始めた時、自分には「当時の経験や記憶を映画にして届ける」それしか頭になかった。これが、英雄を製作する動機だ。

当時のシンガポールでは、暴力団といえば他の職業と変わらぬ、特別な意味を持たない存在で、普通に生計を立てていくことができたし、それ自体が人を定義するものではなかった。しかし今日のシンガポールの大部分の人は、暴力団を人のアイデンティティと結びつける傾向がある。人が何をしているかと、何者であるかの違いを分けることが難しくなってきたのだと思う。英雄を製作した時、私は単に80年代シンガポールの暴力団がどんな人たちであったかを見せたかった。彼らはただの暴力的で互いを殺しあう存在だけではなく、それ以上に一人の息子、夫、そして父親であるという事をあぶり出したかった。英雄をご覧になる方々に伝えたい言葉は一つ「成す事が人の全てを定義するわけではなく、人にはそれ以上の何かがある」


監督について;Sun Ji

 

デジタルオーディオビデオプロダクション「ITE」からTemasek Polytechnicに移動し当学校を卒業。この変化が監督Kee Swee San (Sun Ji)にとって自身の映画製作における、スタイルと方向性を形付ける転機となる。またAnd LeeやClint Eastwoodそして是枝裕和などの監督から多大な影響を受ける。

Sunは社会的や政治的そして文化的な問題が、どのように人々の感情を変化させてきたかという事に強い関心を寄せてきた。そして人はそれぞれの複雑な感情を、物理的な身分や役割を超えて表現する事ができると信じてきた。彼は述べる「全ての人間は複数の複雑な感情を内に秘めていて、主に内面と外面の二つに分けられる。外面的な感情は見せかけや、喜びを表すのに用いられるのに対し、内面的な感情は反対に、本来の自分やアイデンティティーを明らかにする。」

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