失われた言葉
- ドラマ、アニメーション
作品データ
原作 The Missing Words
作成年 2016年
言語 英語、マンダリン
製作国 シンガポール
上映時間 23分09秒
解説
リャン・ファンは中国でクリスチャンの母親に育てられた少年である。青年となりシンガポールで勉強し、兵役に就いていた彼は、現地で運命の相手、イスラム系少女のヤナに出会った。リャンはヤナの宗教が自身の両親にとってタブーであることを知っていたため、極力彼女との関係を両親に知られないようにしていた。母親はリャンに、彼女と交際するべきではない、彼女の宗教を信仰しないでほしいと明言していたが、そんな母親の願いとは裏腹に、リャンは既にヤナの宗教を信仰することを決断していた。監督はこのシーンにおいて、「ナスレディン」という歴史的に有名な物語とストップモーションアニメーションの技術を巧みに組み合わせて表現している。
スタッフ
監督 カリシャン・リャン、ヌリヤナ・アブドル・ラヒム
製作 カリシャン・リャン、ヌリヤナ・アブドル・ラヒム
撮影 カリシャン・リャン
編集 カリシャン・リャン
脚本 カリシャン・リャン
キャスト
イン・ジャン、ヌリヤナ・アブドル・ラヒム、カリシャン・リャン
上映映画祭
カンヌ映画祭 『短編映画部門』2016年
監督からのメッセージ:
本短編映画は、映画製作者の実体験をもとに描かれています。私たちは、宗教の違いにより一緒になることができないという物語において、自ら出演し、それぞれの登場人物を演じています。しかし今では、私たち二人は家族として、映画に囲まれながら幸せに暮らしています!





監督 カリシャン・リャン
写真および映画製作を独学で学んだカリシャン・リャンは、シンガポールの写真アリーナにおいて、複数の受賞・表彰を受けている。映像の分野では、短編映画やミュージックビデオの製作から映画界でのキャリアをスタートした。彼が2011年に監督した初短編映画「Bliss」は、2012年第3回シンガポール短編映画祭において、7部門にノミネートされた。2015年、カリシャンは妻と共に、Niu Pictures を設立。二人の最新作「失われた言葉」は2016年カンヌ映画祭の短編映画部門にノミネートされ、2016年5月の同映画祭で正式上映された。
監督 ヌリヤナ・アブドル・ラヒム
ヌリヤナはイベントや展示会のサポートなどに特化したクリエイティブ分野において2005年にデザイナーとしてのキャリアをスタートした。彼女のアジア地域での活動は、異文化や人種についてより多くを学ぶ機会を与えた。
彼女が初めて映画製作に関わったのは、映画や写真に魅せられた夫、カリシャン・リャンに2007年に会ったときだった。それ以来、彼女は美術監督やプロデューサーとして夫の映画製作プロジェクトをサポートしている。短編映画「失われた言葉」では、監督兼女優としてのデビューを果たした。彼女は現在、自身初の長編脚本作品「マナ・エラ」(エラを探して)の製作に取り組んでいる。この作品では、シンガポールの中/低所得層の家族が、家出した家族の一人を探すために全てを犠牲にするが、最終的には真の家族、自分自身を見つけるという物語を描いている。
